毎日がほうれい線との戦い

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月水金更新~老いに抗うアラサー主婦です。

ウチら棺桶まで永遠のランウェイ

本のレビューです。

「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」

著者はKemioくん。

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だいぶ前から存在は知っていました。

数年前に6秒動画Vineで有名になった男の子です。

VineTwitter社が運営していましたが現在はサービス終了しています

でも本当にそれだけで詳細は知らず…

ブレイクしたときも実際テレビで観たことはなかった気がする。

 

何きっかけだったか忘れてしまったのですが、少し前にYouTubeで彼を観て…

「何この子、超おもしろいんだけど!」

 

そこからYouTubeを観るようになりました。

アメリカで生活してるというのも大きい。

海外好きだから海外で生活している人の暮らしに興味ある~

 

何よりKemioくんはとにかく喋りが面白いのです。

言葉選びにセンスありまくり!

本人は頭が良くないと言っているけど、絶対違う。

頭の回転早くないとあんなにポンポン言葉出てこないと思うし。

 

漢字が読めなかったりするみたいだけど…

五千円の樋口一葉だったら「レディース番長」とか!

表現力が豊か過ぎる!笑

ご自身のことも「口から文化祭」と表現されています。

 

だけどここまでの道のりはかなりハード。

 

2歳のときにご両親が亡くなっています。

お母様方のおじい様とおばあ様がKemioくんとお兄様を育てたそうです。

Kemio節に変換すると「子育てROUND2」

 

男の子向けのものより女の子向けのものが好きなこと、

女の子の友達が多いこと、

それが理由でいじめられたこともあったみたい。

 

女の子向けのものの方がカラフルで楽しくて好き、と書いてありました。

男の子向けのものを買って調整してみたけど、やっぱりキラキラバビューン系が好きだったと。

おジャ魔女どれみガチ勢だとYouTubeかなにかでも言ってました。

あと男子との会話がつまらなすぎて泡吹きそうだったって。笑

 

成長と共に自分をうまく表現して仲の良いお友達も出来たそうです。

自分の居場所が初めて出来たのが中学で、そのベースは今も変わっていないって。

高校ではチャーリーズエンジェルというグループを結成していて、その女子十二楽坊ごっこの動画がとても面白いです。

KemioくんのSNS見てても友達のこと大好きなんだなーと思う。

友達関係の章には「人間関係わんこそば」というタイトルがついております。笑

  

人前に出ることが好きで、HAPPYを届けたい気持ちから芸能界に憧れる。

バイト受けるノリでオーディション受けまくっていたとか。

出たい雑誌にもメール送りまくっていたらしい。

 

その話でびっくりしたのが、ジャニーズになりかけていたこと!

今も活躍中のグループのバックダンサーをしたことがあるそうです!

その後、呼ばれなかったみたいだけど。

ジャニーズも単発とかあるんだね。 

 

気軽に始めたVineでめちゃくちゃバズる!!!

本人も驚いて顎外れたって。笑

そこから芸能生活がスタートするわけですが、人と作り上げるものは一人でするのと全然違うと書いてあります。

テレビなどはうまく喋れなくて、それで離れたファンもいたみたい。

きっと他人にすごく気を使ってしまうんだろうね。

 

でも芸能の仕事がうまくいかなかったことをきっかけに渡米を決意。

留学資金が足りず、おもちゃやリファカラットを売りさばく。

学費や保険を払い、残った10万円を持って飛んだ!

「お金なんて追いかけるものじゃなくて後からついてこさせる、ウチが先頭走るからあんたがバトン渡しなよって勢い。」

すごいなー。

  

自分のお金でやっているのも好感がもてる!

親のお金で着飾ったり、留学したり、企業してる人がドヤってても全然響かない。

私も電卓叩いてバイトして学校通っていたタイプ。

ちゃんとお金の価値を理解するのは本当に大事だと思います。 

 

Kemioくんははっちゃけていても下品さがないのよね。

それはおじい様とおばあ様がきちんと躾をされていたからだと思う。

礼儀は厳しく育てられたと書いてあったし。

バイトして自分でお金を稼げるようになるまで携帯も買ってもらえなかった。

PSPでネットして、カセットテープで音楽聞いて…

その飢えのおかげで脳をフルで使えたから、結果良かったそうです。

今は結構稼げていると思うけど、経済観念がしっかりしているから嫌味がない。

そういったところも彼の魅力の一つだと思います。

 

そしてこの本でKemioくんはゲイであることをカミングアウトしています。

公表していなかったのは「そこ使って仕事しよう」といろんな人から言われて嫌だったからだそうです。

それを個性にしたい人はそうして活躍することも素敵だけど、Kemioくんはセクシャリティをお金に換える気もなかったし、面白がられる意味もわからないし、自分の中にあればいいもの、という考え。

だけどあるとき女性から「女性と付き合ってて悩んでる」という相談を受けて、自分がウソをついているような気持ちになり、カミングアウトすることにしたそうです。

 

Kemioくん、私のゲイの親友に似てるのよね。

親友はハーフではないけど、ハーフっぽい顔立ちだし、喋り方や服装も似てる。

だから余計にKemioくんを好きになったのかも。

カミングアウトするのはすごく勇気がいると思う。

親友にも仲良くなって1年後くらいにカミングアウトされたもの。

 

私は元から全く偏見のないタイプです。

誰が誰を愛そうが関係ない、というと冷たく聞こえるかもしれないけど、他人にはそう。

よく知りもせずに差別が前提にある人は歪んだイメージで決めつけてしまうのかな?

友達に対しては、大好きな友達に愛する人がいるのはとても喜ばしいこと。

そのお相手が異性であれ、同姓であれ、大好きな友達が幸せならそれが一番。

 

でも親友は今、天国にいます。

エイズを発症して死んでしまった。

本人にも心当たりがありました。

 

今はLGBTの方たちへ理解を示そうとする世の中になってきてる。

もちろん、まだまだ偏見や法が追い付いていない部分もあるけど…

子どもたちに教育する機会が増えているなら、性教育もしっかりした方が良い。 

妊娠しないとしても、自分の身体を守れるように。

 

友達関係がうまくいかなかったり、

お金がなくてしたいことが出来なかったり、

夢を諦めようとしていたり、

セクシャリティで悩んでいたり、 

モヤモヤを抱えてるティーンはこの本を読むといいと思う。

 

Kemioくん本人が言ってるように、飲めるように読める本です。

活字が苦手でもKemio節がズイズイ入ってくるはず。

Kemioくんの人生サバイバル知ったら、多少のこと頑張れると思うし。

輝いている正しい人は必ず努力をしているのよね。

 

最後に私が一番好きなKemio語録

「知恵とか勇気とかなんでもいいから、自分でカスタムした武器で世界を壊してこ」

 

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